紫外線を浴びてウイルスに負けない体を作る

 ここ3か月連続コロナの話題で、他に何にもないのか!とお叱りを受けそうですが、確かにとくにこれといった話題はありません。ライブ公演も野外塾もなく、単調な毎日を過ごしていると、時が経つのがあまりにも早い。皆さんはそんな感じしませんか?

 でも、この時期、僕には、じっとしてはいられない、居ても立っても居られない、ある種の「生活習慣」があるのです。定休日には、コロナとは全く無縁の山奥に出かけます。聞こえてくるのは渓流のせせらぎと鳥の声だけ。その河原や薮に足を踏み入れると、ここまで来ないと手に入れることができない、おいしい食材が僕の目に飛び込んで来るのです。コゴミ、ウド、タラノメ、ゼンマイ、ワサビ、キノシタ、サンショウ、ハリギリ、ワラビ、イタドリ……。興味のない方にとっては、いったい何のこっちゃ??でしょうが、この手の草たちを見つけると、僕のアドレナリンは出まくり、しばし狩猟採集本能むき出しの行動に出てしまうのです。

 先日は、雪国に行かないと生えていないネマガリダケを渓流釣りをしながら採りまくってきました。この竹は、ヒメタケとかススタケとも呼ばれていますが、雪の重みで根元付近が湾曲しているのが特徴で、この薮を低い姿勢でかき分けて、地面から顔を出したタケノコを探すわけです。時々、このシーズンになると「タケノコ狩りの人が遭難」というニュースがありますが、それがこれ。夢中になると自分の居場所が分からなくなったりもするのです。ま、僕の場合、そんなことにはなりませんけどね。そういう魔力もある山菜なわけです。

 また新型コロナの話で恐縮ですが、5月後半になって、まだ終息とはいえませんが、収束はしてきており、14日には、岐阜、愛知など39県で緊急事態宣言も解除されました。とはいえ、まだまだクラスター(集団感染)の可能性があり、油断は禁物だそうです。早くその危険性からも解放されたいところですが、欧米諸国に比べて日本人の重症化率が低かったのはなぜでしょう? 医療体制が違うとか、いろんな憶測がありますが、先日読んだ本『歩くだけでウイルス感染に勝てる!』(長尾和宏著/山と渓谷社)によると、日本人は毎日お風呂に入るので、毎日温熱療法をしているようなもので、免疫力が高い、という指摘もありました。他にも、味噌汁や納豆や漬物などの発酵食品をたくさん摂っているからでは、などという話もありますね。

 この本の長尾先生のご指摘に妙に納得してしまったのは、どんなウイルスであろうと、結局はそれに勝つには自分の免疫力を高めるしかないということです。今後、新型ウイルスも完全になくなることはないわけで、インフルエンザウイルスなどと同様にうまく付き合っていかなくてはいけないとおっしゃるんですね。

 緊急事態宣言発令中は外出自粛が言われましたが、これが続いて、ずっと家の中に閉じこもる生活が続いたら免疫力が落ちまくりで、元も子もない状態になってしまいます。僕も前から言ってますが、近くの公園で遊んだり、山に登ったりすることが感染リスクに繋がるとはとても思えません。天気のいい日には外で遊びましょう。そして紫外線を浴びて、ビタミンDを摂取して、ウイルスに負けない体を作ることです。

 おおきな木野外塾も5月31日から再開をします。自然のなかで遊ぶこと、それが子どもたちの体力と生きる力を育てるのです。その育む力を”野力(のぢから)”と名付けましたが、これが大事なのです。

おおきな木 杉山三四郎