武力で平和を守れるのでしょうか

 今年もようやく春が来たと思ったら、もう梅雨入り。時が経つのは本当に早いですね。そして、全く個人的な見解ですが、毎年、夏はあっという間に過ぎていきます。おおきな木主催の「野外塾」では、学校の夏休み中に4つの泊まりがけプログラムがあって、夏好きの僕としては夏を満喫できる幸せな時間なのですが、これらも忙しなく過ぎていくわけです。

 さて、それはともかく、暑い暑いと言いながらも、日本人はなかなかマスクを外せないようです。厚労省も公式HPで、熱中症対策として屋外でのマスク着用を止めるように広報していますが、依然、街を歩いていてもほとんどの人がマスクをしています。大都会の人混みの中ならともかく、人もまばらなこの岐阜の街でもみんなマスク。なぜマスクをするのか、何のためのマスクなのか…、おそらく思考停止してるんでしょうね。みんながしているから外せない、これでしょうね。コロナだろうが何だろうが、必要だと感じる時にすればいいのに。自分の判断は放棄してるんでしょうか。

 登下校時の子どもたちもみんなマスクをしていますが、コロナよりも熱中症の方がよっぽど怖い病気ですし、厚労省のお墨付きも出たわけだから、学校は率先してマスクを外すよう指導すべきではないでしょうか。暑い時は、熱中症だけでなく、マスクの中が汗や唾気でぐちゃぐちゃになって雑菌がたまるしで、不衛生な状態にもなってしまいます。。

 今、マスクを外せない理由のひとつに、顔を見せたくない、といった人たちもいるようで、「顔パンツ」とか言うんだそうな。マスクのおかげで若く見られていたのに、歳がバレてしまう、なんてこともあるのかも。しかし、前にもこの欄に書いたんですが、マスクのせいで乳幼児の言語の発達が遅れているという研究結果もあるそうです。言葉は耳からだけではなく、口の動きや顔の表情などもトータルに受け止めて獲得していく訳ですから、納得のいく話です。子どもだけではなく大人だって相手の表情が見えないコミュニケーションは嫌ですよね。早く、当たり前のようにしていた楽しい会話の時間が戻ってくるようになればと思います。

 さて、話は変わって、参議院議員選挙の投票日が7月10日と決まりました。おもな争点は、物価上昇問題、コロナ対策、改憲問題とのことですが、ロシアのウクライナ侵攻以来、憲法第9条を変えて、軍事力を増大して、専守防衛ではなく敵基地を攻撃できるようにするべきだという声が大きくなっています。「平和を守るためには強い武力が必要だ」と、その人たちは言います

が、本当にそうでしょうか。

 太平洋戦争で日本は負けました。310万人以上の国民が命を落としました。軍事力で国を守ることなどできなかった訳です。そして今。ロシアは軍事力においてウクライナをはるかに凌ぎますが、そのロシアも1万人以上の死者を出していて、この侵攻がロシアに平和をもたらしたとはとても言えません。いつの世も、戦争を仕掛けるのは時の権力者であり、悲惨な目に遭うのは罪なき人たちなのです。軍事力を増大せよと言ってる方々は戦争に勝つことしか頭になく、自分や自分の家族が武器を持って戦場に行くことになるという想像力も持ち合わせていないようです。武力は命や財産を奪う道具で、決して平和をもたらすことはできません。

 選挙では、「どんなことがあろうと武力を使ってはダメだ」という政党に一票を投じたいと思います。

おおきな木 杉山三四郎