大自然を満喫! 立山黒部アルペンルート

 梅雨が明け、本格的な夏に突入しましたが、先日、まだまだ梅雨の真っ只中に、2泊で立山に行って来ました。昨年10月に引き続き今回で4回目ですが、夏は初めて。高山植物や高山蝶との出会いが楽しみです。

 立山黒部アルペンルートはマイカー規制がされていますから、富山地方鉄道の終点立山駅に車を置いてから、ケーブルカーで標高977mの美女平まで、7分で一気に500m登ります。そこからはバスで、標高2000m前後に広がる、弥陀ヶ原、天狗平といった広大な湿原を通って1時間弱で標高2450mの室堂バスターミナルに着きます。室堂平は、ミクリガ池やミドリガ池といった火口湖や、有毒ガスを含んだ噴煙を吹き上げる地獄谷があったりと変化に富んだ高原で、高山植物のお花畑が広がっていて、ナナカマドやハイマツなどの低木が生い茂り、天気が良ければ、まさに天空の楽園です。

 しかし、梅雨の真っ只中とあって今回もお天気には恵まれませんでした。初日、自然観察のガイドツアーに申し込んだのですが、雨と強風のため中止。しかも寒い。ダウンパーカーやレインスーツに身を包み、まずは予約をしていた山小屋に。ここは地獄谷のすぐそばにある宿で、硫黄臭が立ち込める野性味溢れる温泉が魅力です。なので、まずお風呂。すると、霧が晴れてきて立山連峰が姿を現してきました。よしっ、チャンス到来。宿を出て周辺を散策しました。まだ雪が残る山肌と池、そしてナナカマドの白い花が絶妙のコントラストを演じています。チングルマやハクサンイチゲの白い花、薄紅色のコイワカガミなどの群生。心が躍ります。今年は雪が少なかったせいで季節の進みが例年より2週間ほど早いみたいで、普段なら一面チングルマの白い花に覆われている季節ですが、すでに花が終わって、赤ちゃんのそよそよ頭のような実になっているものが多く見られました。これはこれで悪くないんですけどね。

 次の日は、というと朝から濃霧に包まれ、おまけに強風。これでは室堂にいてもダメかなと、黒部ダムまで行ってみることにしました。室堂ターミナルから、立山の雄山の地下をくりぬいたトンネルを走るトロリーバスに乗り黒部峡谷を望む大観峰へ。そこからロープウェイで黒部平まで下りてから、さらにケーブルカーで黒部ダムまで下ります。その日、室堂は一日中ひどい天気だったみたいですが、なんと黒部側は晴れていて、黒部ダムに堰き止められてできた黒部湖と、長野県との境となる後立山連峰が一望できて、絶景を満喫しました。ここでも数多くの高山植物に出会いましたが、とてもこの欄には書ききれないのでやめておきます。

 そして、同じ道を引き返して室堂へ。室堂は濃霧&強風。でも、宿に向かう途中ライチョウの親子を見ることができてラッキー。この時期はひなを連れているので、可愛いですね。じつに癒されます。

 3日目も濃霧&強風。早々に室堂を引き上げて、弥陀ヶ原で自然観察ガイドツアーに参加しました。お天気は雨でしたが、ちゃんとガイドをしていただけました。湿地帯特有のニッコウキスゲ(富山ではゼンテイカというそうです)、ワタスゲ、ワレモコウなどが一面に咲いていて、湿原好きにとってはたまらない風景です。

 コロナ禍になる前の年、スイスのユングフラウやマッターホルンを望む雄大な山岳地帯で高山植物や高山蝶の撮影をしながら山歩きを楽しみました。またいつか行きたいとずっと思い続けているのですが、日本アルプスもスイスアルプスに負けてないかも…。

おおきな木 杉山三四郎