世界中の人たちが訪れるスイスで…

 7月7日から7泊9日でスイス旅行に行ってきました。スイスは4回目。なぜ毎回スイスなのかって? 他にも行きたいところはありますが、ひと言で言えば、スイスアルプスの魅力に取り憑かれてしまったからです。

 1泊目は旧市街一帯が世界遺産に指定されている首都ベルン。4度目にして初めて滞在しましたが、その旧市街は想像以上に素晴らしい景観で、「奇跡の街」です。そして、ユングフラウの麓の小さな村ヴェンゲンに5泊。ベルナーオーバーラントの山々のハイキングコースを歩き回ることが一番の目的でした。そこを拠点に登山電車やロープウェイやバスなどを利用して、毎日、2万歩以上を歩きました。3,000〜4,000m級の山々を眺め、高山植物や高山蝶を写真に収めたりしながら、標準タイムの1.5倍ぐらいの時間をかけて歩きました。

 こんなふうに第一の楽しみは自然を愛でることですが、もう一つスイスの魅力はと言えばいろんな国の人たちと遭遇することです。有名な観光スポットは人で溢れていますが、さすが観光立国、その受け入れ体制がしっかりしてます。乗り物の乗り継ぎはスムーズで時間は正確。大型の荷物や自転車のスペースも各車両に付いているし、ハイキングコースは整備されていて、分岐点には必ず統一デザインの道標が立っているし、要所にレストランやトイレやベンチが設置されています。

 そして、ドイツ語圏でも英語は大体誰でも話せて、僕の拙い英語も一生懸命理解しようと聞き返してくれます。ベルンのレストランでは、女性オーナーが各テーブルを回り、「スイス料理はいかがですか? ゆっくりエンジョイしてってね」と明るく和ませてくれます。大抵のレストランではスタッフも外国人だらけですが、必ずgoodかどうか聞きに来るので、OKサインで応えます。ヴェンゲンのバーでは、ライブで歌ってる男性は南アフリカ人で客はアメリカ人だらけ。テキサス、アイオワ、ニューヨークなどと叫んでました。途中にイギリス人のおばさまたちもやってきてノリノリ。アジア人は僕一人でしたが、何とか仲間に入れてもらいました。

 中国やインドも多いですが、今回はアメリカ人によく遭遇しました。夏休みなので家族連れで来ています。シアトルから来たと言うご家族とは大リーグの話題になり、ショーヘイはすごいけど、やはりイチローが好きだと言ってました。マリナーズの本拠地ですからね。

 ヴェンゲンを後にし、7泊目はリギ・カルトバートという村のホテルに1泊。今回では一番いいホテルで、フロントの女性スタッフが親切にいろんなことを教えてくれました。彼女の名前はサラちゃん。アジア系スペイン人の心理学を学ぶ大学生でした。日本語も中国語も話せないけど、母国語の他に英語やフランス語やドイツ語も使って、お客様たちとも談笑しています。スイスで観光の仕事をしようとしたら4ヶ国語ぐらいできないと通用しないと、ヴェンゲンで会った日系スイス人のロープウェイの運転士さんは言ってましたが、すごいです。

 世界中の人たちが訪れるスイス。国を挙げてのそのホスピタリティには感服します。そして、やはり英語力が大事だとつくづく感じました。学校で習った文法を気にせずに、頭に浮かんだ単語を並べれば話は続きますが、英語でのコミュニケーション力がもっと高かったら、もっといろんな人たちと会話ができたと思います。日本でも、近所に住む外国人の人たちや、観光で訪れる海外の人たちともっとコミュニケーションがとれれば、異文化交流ができていいだろうなあと思います。

おおきな木 杉山三四郎