パレスチナのガザ地区で医療活動を続ける国境なき医師団にささやかながら寄付をしました。イスラエル軍による爆撃で多くの民間人が殺され、傷つき、さらには飢餓状態に陥っているガザの人たちのことを思うと、居ても立ってもいられない、そんな気持ちです。
イスラエルによると、ハマスはテロ集団であり、人質を全員奪い返すまでは戦争を続けると言ってますが、果たしてそれは本当なんでしょうか。イスラエルにとってはハマスはテロ組織だということなんでしょうが、パレスチナ人にとっては、自分たちの住む土地を奪われ、行動の自由までも奪われていることに対する、ささやかな抵抗勢力なんじゃないでしょうか。そのハマスが潜伏しているという口実をでっち上げて、無差別に爆撃を続けているというのはとんでもない戦争犯罪です。先日、ガザ市への地上侵攻も始めると、ネタニヤフは息巻いてますが、避難勧告に従って家を捨てて避難する人たちにも攻撃を仕掛けているとのこと。学校や病院を標的にしたり、避難民たちのテントや、食糧を求めて人々が集まる配給所を爆撃したり、これは明らかに民族浄化を狙ったジェノサイド(集団殺害)です。
このイスラエルに対し、世界各国は非難声明を出していますが、ネタニヤフ政権は全く聞く耳を持ってません。国際刑事裁判所が戦争犯罪であると認定しても、裁くことはできないのでしょうか。イギリスに続き、第二次大戦中にホロコーストで600万人のユダヤ人を虐殺し、今だにその負い目を背負っているドイツも非難声明を出しました。そして、イギリス、カナダ、オーストラリア、ポルトガル、フランスなどがパレスチナの国家承認の声明を出し、その数は160ヶ国以上になりました。ところが、イスラエル支持のアメリカは全く動きません。そして、トランプ政権の顔色を伺っている日本も、情けないことに国家承認に踏み切れません。
80年前、アメリカは、太平洋戦争において広島、長崎に原爆を落とし、各地の都市を空爆しました。明らかに民間人を狙った無差別攻撃です。アメリカにおいては、原爆投下は戦争を早く終わらせるために必要だったと正当化していますが、あの時点で日本が降伏するのは時間の問題でしかなかったのに、「マンハッタン計画」の目的として、さらに、戦後処理でソ連より優位に立つために、日本が降伏する前に投下を急いだ、というのが本音だったわけです。アメリカは、その後も、ベトナム戦争や湾岸戦争、イラク戦争でもクラスター爆弾や化学兵器などの無差別殺傷兵器を使ってますから、ずっと戦争犯罪を続けています。しかし、日本はこうしたアメリカのジェノサイドに対し、何も物申すことができないというのは、残念ながら今だにアメリカの占領下に置かれているような国だからでしょう。
また、太平洋戦争中、日本も無差別殺人兵器を使っていたという事実もあります。先日、当店に来られた舘野鴻さんは、新刊『うさぎのしま』(近藤えり、たてのひろし作/世界文化社)の話をされていましたが、この絵本の舞台は大久野島という広島湾にある島で、当時毒ガス兵器を製造し、ウサギはその実験台として使われ、その毒ガス兵器は実際に中国大陸で中国の民間人に対して使われていたということなんですね。
この100年の歴史を見ても、戦争が起きるたび非人道的な戦争犯罪が繰り返され、今現在、ガザでは多くの罪なき人たちが殺され続けている。この獣のようなイスラエルの行為をどうしたら止められるのでしょう。
おおきな木 杉山三四郎