「愛国心」っていったい何でしょう?

 今、世間を一番騒がせていることといえば、やはり森友学園問題でしょうか。森友学園の理事長籠池さんは安倍昭恵さんと親しい仲で、そういう方が新しく始めるという小学校の用地が、破格に安い値段で払い下げられた国有地だった。そしてなんと、昭恵夫人はその名誉校長として名を連ねていた、といったことが疑惑の始まりですね。

 先日、この籠池理事長が国会で証人喚問されました。どこまでが本当の話なのか、そんなことはまだ分かりませんが、証人喚問で嘘をつけば偽証罪となるわけですから、そんなめちゃめちゃな話でもないのではと思うんですけどね。とにかくいろいろと暴露してくれました。昭恵夫人だけでなく、自民党の先生方の名前がいろいろ出てきました。政府や自民党としては早く幕引きを図りたいところなのでしょうが、国民の8割以上はちゃんと真相を解明すべきだと各紙の世論調査で答えてます。

 この疑惑の真相解明は今後の国会で徹底的にやってもらいたいと思いますが、今回、またまた考えてしまったのが、「愛国心って一体何だ?」ということです。愛国心というのは、要するに「国を愛する心」なわけでしょ。ありますよ僕にも。二場所連続優勝を成し遂げた稀勢の里。久々に登場した日本人横綱ですからね、そんなに相撲ファンではないけれど、やっぱり応援してしまいます。かといって、白鵬や日馬富士は嫌いかといえばそんなことはありません。モンゴルに負けてばかりでは悔しいですけどね。そして、今行われているサッカーW杯最終予選でも、先日終わった野球のWBCでも、やっぱり日本を応援してるわけで、君が代だって歌っちゃいます。これって、自分のルーツが日本人だという気持ちがあるからですよね。

 でも、森友学園が教育方針として掲げている愛国心というのはちょっと違うんでしょうね。なんせ、教育勅語を園児に暗唱させているわけですから。教育勅語が作られたのは明治時代、大日本帝国憲法のもと、主権は国民ではなく天皇だった時代です。日本国民はみな神様である天皇の子どもであるから、日本民族としての誇りを持て。いざというときには天皇のために命を投げ出しなさい。そういうことを言ってます。その教育勅語で戦前の日本人は育てられ、太平洋戦争では、「天皇陛下万歳」といって出兵し、「天皇陛下万歳」と言って死んでいったんです。

 要するに籠池さんが言う愛国心というのは、国家に忠誠を誓うことなんですよね。時代錯誤も甚だしい。それを、「素晴らしい教育をされている」と安倍首相が国会で喋っていたのを聞いた時には、空恐ろしくなりました。ああ、やっぱりな。彼が取り戻すと言っている「日本」とうのは、主権在君の大日本国帝国憲法の時代の日本のことなんだと。そして、籠池さんがやっている教育を絶賛していたのは安倍夫妻だけじゃなくて、他にも大勢の自民党大物議員がいたのです。

 僕は日本が好きです。でも、ヘイトスピーチを続ける愛国主義者たちのように他の国を蔑むようなことはしません。モンゴル人の横綱が優勝した時にも、それを褒め称える記事をちゃんと大きくマスコミが取り上げることができるこの国が好きです。森友問題もちゃんと真相解明ができるマスコミであってほしいです。

 ところで安倍さん、あなたはどうして一言、「真相解明に向けて努力します」と言えないんですか?

おおきな木 杉山三四郎