新型コロナ対策の恩恵にもあずかって…

 今年は、このまま行くと、コロナで始まり、コロナで終わる年になりそうですが、今まで当たり前にやってきたことが当たり前でなくなったりで、いろんなショックがあります。価値観がガラッと変わったとおっしゃる方もあれば、先行き不安で苦しい思いをされてる方も大勢いらっしゃいます。でも、そんな中、ちょっといい思いもしているという話をさせていただきます。

 例年ならばもうとっくに終わっているプロ野球のペナントレース。今年は開幕が遅れた分、今だに楽しませてもらっています。とは言っても、我が愛する中日ドラゴンズがここ数年のような低迷ぶりであったら、もうテレビも見ていないかもしれないのですが、今年は違います。10月に入ってからは、今日(25日)までで、なんと16勝5敗。勝率.762。貯金を一気に8まで増やして、セ・リーグの2位につけています。でも、優勝は巨人でほぼ決まりなので、もっと早い時期に頑張れなかったのか、というファンの声もありますが、最後まで楽しく試合を見せてもらえるのが一番嬉しいのです。

 そして、経済支援で始まったGoToキャンペーン。これを利用して、10月半ばごろ、山に登ってきました。泊まったのは奥飛騨温泉郷にある隠れ宿といった風情の古民家をリノベした小さな民宿。ここの宿泊代が35%OFF。それにお買い物クーポンが一人あたり2000円付いてくるんです。GoToのサービスがどんなものなのかあまり関心はなかったのですが、特に面倒な手続きもなく、こういうサービスが受けられて、正直、久々に得をした気分になりました。おまけに、利用した新穂高ロープウエィが、岐阜県のGoTo対象になっていて、通常、往復運賃プラス2000円分のお買い物券で4000円というチケットが、なんと半額の2000円。妻と二人でお買い物クーポンが8000円分もゲットできて、普段はまず手を出さないお高い地酒を4本も買いました。

 山の方の話はしてもしょうがないかもしれませんが、新穂高ロープウェイの頂上駅から西穂高山荘を経て、西穂の独標(標高2701m)に登ってきました。30年ほど前にはそこから西穂高岳(2,909m)に登ったことがありますが、それは諦めました。しかし、3000m近い稜線を歩くのは本当に気持ちがいいですね。天気はちょっと雲が多めでしたが、眼前に穂高連峰が見え、紅葉もばっちりで、心が爽やかになりました。

 新型コロナのせいで、三密を避けて、登山やキャンプ、釣りなどのアウトドアを楽しむ人が増えているようですね。この日も平日にも関わらずお客さんは多く、ロープウェイも増便を出していました。ヨーロッパやアメリカなどでは感染者が今だに爆発的に増えているので海外旅行は怖くて行けませんが、国内でアウトドアを楽しむというのは免疫力も高まるのでは…。

 ま、呑気な話をしてしまいましたが、最近ご来店のお客様から聞いた話なんですが、ご近所でコロナ感染者が複数あって、その方たちはほんとひどい目に遭われたとのこと。家に落書きをされたりといったいじめを受け転居されたとか、命を絶たれた方もあるとか。病気になることより怖いのは世間の目だとおっしゃってました。僕もこの「つうしん」で同調圧力のことを書きましたが、本当に「コロナより怖いのは人間」ですよね。人間の心が荒んでいくようなこのコロナ禍が早く終息することを願うばかりですが、当分は上手く付き合っていくしかないでしょうね。恩恵にもあずかりながら、できるかぎりのことを続けていこうと思います。

おおきな木 杉山三四郎