早く堂々とマスクなしで町を歩きたい!

 今年も残すところあと1か月となってしまいましたが、令和3年はどんな年だったでしょう。オリンピックやら衆院選やらいろいろありましたが、結局、昨年に引き続きコロナコロナの1年でしたね。

 でも、ここのところ新規感染者の数が激減しています。嬉しいことですが、その要因は何なんでしょう。ワクチンの効果が表われてきているのでしょうか。でも、日本より接種が先行している欧米の国では、いまだに万単位の新規感染者が出ています。6か月以上が経ってワクチンの効果が薄れてしまったのでしょうか。では、マスクの効果? いえいえ、日本ではほとんどの人がずーっと前からマスクをしてますから、これも無関係。ウイルスが自然消滅したのではという説もありますが、はっきりとしたことは何も分かってないようです。

 さて、感染が爆発していた今年の夏のこと、近くのコンビニに行こうと歩道を歩いていたら、一人のおじさんに「マスクをつけなさい」と注意されました。外を一人で歩いているときにマスクをつける意味はないだろうと思うので、外を歩くときはいつも僕はノーマスクなのですが、店にはマスクをつけてないと入れないのでポケットには忍ばせています。「マスク警察」という人がいるという話は聞いてましたが、実際に会ったのは初めてで、以降「話のネタ」にさせていただいてます。

 律儀な日本人は戦争中の国民服のように誰もがマスクを着用していますが、TPOに応じて自分で着脱を判断したらいいんじゃないかと思うんですけどね。みんなと同調しておいた方が楽だし無難であるということなんでしょうね。周りのみんなと違う行動をとるというのは、なかなか勇気がいることなんです。

 では、みなさんはこのコロナ禍で生活していて、何でこれがコロナ対策なの?と思えるようなことってありませんか。例えばトイレの手洗いのハンドドライヤー。今、どこに行っても使用禁止になっていますが、濡れた手を払う方がよっぽど飛沫が飛ぶような気がします。「トイレットペーパーの三角折りを中止してます」という張り紙も見かけますが、その因果関係も僕にはよく分かりません。ホテルの朝食バイキングなどでは、ビニールの手袋をはめて料理を取るというのが常識になってますが、手指のアルコール消毒をしてから食堂に入っているわけだから、あまり意味がないし、プラスチックごみが増えるだけではないかと思います。どこもかしこも、感染防止効果の有無よりも、ちゃんと対策を取ってますよとアピールすることが大事なわけです。

 とまあいろいろ思うところはあるのですが、コロナのせいで普段以上に人の目を気にして生活しなくてはいけない状態になっていて、ストレスが溜まります。こんな話もありました。長良川のラフティングボートツアーに修学旅行でやってきた学校があって、先生から主催者に、生徒を水に濡らさないようにしてほしいという要望があったとのこと。この寒い時期に体が濡れると風邪をひく、すると周りからコロナの疑いがかけられてしまうからということなんですね。生徒が風邪をひくということよりも、世間の目の方が怖いということです。修学旅行自体を中止している学校も半数ほどあるようですが、これも同様の理由からでしょうね。

 昨年来、僕の出張公演も激減してますが、ここに来て少しずつ声をかけていただけるところが出てきました。「早くマスクなしで堂々と町を歩けるようになってほしーい! 早く同調圧力から解放されたーい!」。

おおきな木 杉山三四郎