9月に引き続き、先日ふたたび絵本作家のたてのひろし(舘野 鴻)さんがやってきました。今回は、名古屋市科学館で開催中の「特別展 昆虫MANIAC」で「うんこ虫を追ってみた」という講演をして、その次の日に「おおきな木野外塾」に参加してもらいました。
野外塾の説明をしていたら長くなるので省きますが、いつも自然の中で奔放に遊んでいる子どもたちは、たてのさんのような「変なおじさん」が大好きなので喜ぶだろうし、たてのさんもきっと野外塾が気に入ってくれるんじゃないかと思っていたところでした。
この日の野外塾は一応プログラムがあって、午前中は「もりのビンゴゲーム」、お昼は、みんなで持ち寄った焚き火料理、午後は冬の虫さがしとなってます。「もりのビンゴゲーム」は、普通のビンゴカードの数字のマスが、すべて植物の花や実や葉っぱなどの写真と名前になっていて、森の中を駆け巡ってそれらをさがして、見つかった植物のマスがタテ、ヨコ、ナナメに5つそろったらビンゴになります。ビンゴになると子どもはクリスマスプレゼントがもらえるというのもあって、親も子もいっしょになってみんな頑張ります。制限時間は60分でしたが、ほとんど、ビンゴ〜達成!でした。
ビンゴが終わり、子どもたちが中心になって焚き火の火起こしを始めたころ、やってきたのはたてのさんと相棒の絵本作家 近藤えりさん。予想通り子どもたちは気楽にたてのさんに声をかけてるし、たてのさんも知らないうちに焚き火の輪に入っていてみんなに馴染んでいます。この日のお昼は、みんなそれぞれ好きな食材を持ち寄って焚き火で焼いたり煮たりして食べるという「持ち寄り自己責任焚き火料理(?)」です。たてのさんは、前日の夜に食べきれなかったというネパールのカレーを温めて食べ始め、それに、さっき採ってきたというクワガタの幼虫も焼き始めました。要するに白いイモムシ。お味の方はというと、スモークチーズみたいだそうです。ちょっとした昆虫食ブームですが、中でもカミキリムシの幼虫は美味しいらいしいです。クワガタも似たようなものなんで美味しいんでしょう。みんなが口にできるくらい採れれば言うことないんですけどね。
そこで、午後はたてのさんにくっついてイモムシ掘りに出かけました。狙うはコナラやアベマキなどの朽ちた広葉樹。ツルハシで豪快に割って、そこからシャベルなどで丁寧に掘っていくと、何かしら生き物に出っくわします。アリやシロアリの大群、ムカデやヤスデの仲間、そして、小さな小さな生き物たち。白いものが出てきたら、クワガタやらコガネムシの仲間です。タマムシやカミキリもいます。でも、今回は「食べよう」と言い出す子はいなくて、大切に家に持ち帰りました。
たてのさんは今度は崖にへばりついて土を掘り始めました。狙うはオサムシです。彼はオサムシ大好き少年だったそうで、見た目では素人には違いがほとんど分からないんだけど、いろんな種類がいるんですね。交尾器の形の違いなどで見分けるんだそうです。
たてのさんの絵本といえば、まずは超細密画による昆虫のシリーズ(偕成社)。でも、メジャーな昆虫はギフチョウぐらいで、あとは、『シデムシ』『ツチハンミョウ』『ガロアムシ』と、お馴染みではないものばかり。しかし、その小さな虫たちの一生はどれも怪奇で不思議なことばかり。奇跡をかいくぐって命を繋いでいるその生き様は本当に凄いというしかありません。僕は、たてのさんの絵本を開くたび、ほぉーっと唸ってます。
おおきな木 杉山三四郎
