みなさん、コスタリカという国はご存知でしょうか? 中米のパナマの隣にある国で、人口は約520万人、広さは北海道の約6割ぐらいの小さな国です。小さな国ですが、国連や諸外国から「世界で一番幸せな国」と呼ばれている国です。その理由は?
まず、この国には軍隊がありません。日本の自衛隊にあたるような組織もありません。憲法に「常設の組織としての軍隊は禁止する」と書かれていて、完全に非武装を貫いてきました。そして自国の平和だけでなく、世界に向けて平和を広め、1987年、大統領はその功績を認められてノーベル平和賞も受賞しています。国連の核兵器禁止条約を提案したのもこの国で、2021年にこの条約は発効しています。世界で唯一の被爆国である日本はというと、その条約を批准するどころか、会議にすら出席をしていません。本来ならば、核の恐ろしさを自ら体験した日本が主導すべき条約だと思います。
コスタリカは軍隊をなくして浮いた軍事費を教育や福祉にまわして、豊かな福祉国家に成長しています。そして、国民みんながこの平和憲法のことや国際社会でもその役割を果たしていることを知っていて、コスタリカ人であることを誇りに思っています。
では私たちの国はどうでしょうか。コスタリカの平和憲法が制定されたのは1949年ですが、日本はその3年前に、世界に先駆けて「戦争放棄」を謳った日本国憲法を公布しています。以来80年の間、他国の紛争に巻き込まれることもなく、自衛隊はできましたが、戦闘行為によって死んだ隊員はいませんし、誰一人殺すこともなく平和を守ってくることができました。これは世界に向けて誇っていいことではないでしょうか。
憲法第9条の第1項には、国権の発動たる戦争を永
久に放棄し、第2項には、その目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は保持しない、と書かれています。それなのに、先の衆議院総選挙で圧勝した高市政権は、「外交力と軍事力で日本を強い国にする」と言っています。高市さんが掲げておられる「強い国」とはいったいどんな国なんでしょう。
今年に入ってから、アメリカはベネズエラやイランに軍事介入し、国際法など我関せずのトランプ大統領の言動が世界中を恐怖に陥れています。先日、高市首相が訪米し、「世界に平和と繁栄をもたらすことができるのはドナルドだけだ」と、人を殺しまくっているトランプをおだてまくりましたが、本気で言ってるとしたらヤバいことになります。軍事力で世界を意のままにしようと企むアメリカに日本も追随することになってしまいます。しかし今回、ホルムズ海峡に自衛隊を派遣するというところまで話が進まなかったのは、憲法第9条があったおかげでした。もしも、第9条を変えて、自衛隊を正式な軍隊として明記し、憲法の上でも集団的自衛権行使ができることになっていたら、確実にこの戦争に巻き込まれていたと思います。
日本も、コスタリカと同様に平和と民主主義の国であることを誇りにしていきたいと思いませんか。「強い国」でなくていい、「優しい国」であってほしいです。「台湾有事があったら日本も黙ってはいませんよ」と勇ましいことを言うのでなく、「日本は平和憲法を守っている国なので、武力行使に出ることはあり得ない」ということを堂々と言ってほしいです。そうすれば中国を怒らせることもなかったでしょう。相手を思いやる優しさこそ外交力ではないのかと思います。
おおきな木 杉山三四郎
